午前2時に書くブログ

大人になりたいようななりたくないような、誰かとお話したいようなしたくないような、あの感性を大事に。

イラストのオーダーメイドマーケット「SKIMA」を使ってアイコンを書いてもらった

 

こんにちは。今回は元気な方のひーこです。

 

先日「SKIMA」というサービスを使って、ネットで絵を書いている方にアイコンを作っていただきました!

 

skima.jp

 

今回は「SKIMAってどんなサービス?」という所から、実際の取引の流れや価格帯などを紹介していきます!

 

目次

・私がSKIMAを知った経緯

・SKIMAとは? ←ここから読んでも大丈夫!

・発注から納品までの流れ

・注意点と価格帯

・最後に

 

私がSKIMAを知った経緯

 

Twitterのアイコンを、従来の写真からイラストに変えたいと考えていました。

私自身を表すアイコンになるようなキャラクターがほしくて。

 

日々TLに素敵な絵が流れてくるので「ぜひそういう人にお金を払って書いてほしい」と思っていたのですが、それが現実的な方法なのかわからず……

そこでフリーランスイラストレーター数人にリサーチしてみた所「いきなり知らない個人から依頼もらっても正直怖い」「アイコンだけだと単価が低いから、絵を仕事にしている人は受けづらい」とのこと。

 

そうだよなあ。でも学生さんとか本業と別でイラストを書いてる人とかで、絶対そういうのやりたい人っていそうだけどなあ。

そう思いながらTwitterの海を泳ぎ回っていた時に見つけたのが、YuccAさんでした。

 

 

もう、色味とか線の質感とか本当に好みで。「この人に書いてほしい!!!!!」って思って。

そうしたらプロフィール欄にSKIMAのリンクがあったんです。

 

SKIMAとは?

COMMISSION(コミッション)とは、イラストを個人に有料で依頼する海外の文化です。

全てのイラストにその価値があり、そのイラストを必要としている人がいます。

SKIMAは日本でもこの文化を広めることを一つの目標にしています。 

スキマ - イラストのオーダーメイドマーケット- SKIMA  より引用

 

ちなみにSKIMAがテーマにしている「コミッション」という海外の文化は、2016年に話題になっていました。

 

togetter.com

 

SKIMAが目指しているのは「スキルのフリーマーケット」。

pixivで企業が個人に仕事を依頼する流れはありましたが、こちらは下記が特徴的です。

 

・個人が個人に依頼できる

・制作者は、有償を前提に出展している

・オーダーからやり取り、納品、決済まで全てSKIMA上で完結する

 

なおサイト内では「似顔絵」「イラスト」「デザイン・編集」「その他」「文章」「専用出品」「グッズ」が大分類のカテゴリーとして用意されています。

厳密にイラストのみというわけではなく、クリエイティブスキルを広めに扱っているんですね。

※専用出品は受注者を限定した専用ページ。正式依頼に使われます(後述)

 

発注から納品までの流れ 

基本的な流れは下記になります。

※「受」=受注者、「発」=発注者

 

スキルの出品(受)

購入申請(発)

申請の承認(受)

支払い(発)

↓※料金預かり(SKIMA)

納品(受)

取引完了 ※受注者への料金支払い(SKIMA)

 

【1】早速依頼してみる

仕様上「依頼する」ボタンから即依頼することもできますが、事前にメッセージで内容、納期、金額等をすり合わせておくのが通例のよう。

私もYuccAさんにこのような文章を送りました。

 

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 これで半分くらいです。コミュ障のメールは長い

 

すると、30分もたたないうちにお返事がありました。

 

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 そして納期や値段のすり合わせ。今回はYuccA様がアイコンの基本価格として設定している3,000円でお願いできることになりました。

 

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↑テキストベースなのでふわっとした依頼にはなりますが、イラストレーターのセンスを信じるのも醍醐味かなと思います

 

【2】正式依頼、そして納品まで

 

納品日時や金額が確定した段階で、私の専用ページなるものを作って下さいました。

右の「購入申請」ボタンから、メッセージでやり取りをしていた内容に沿って正式発注をします。

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1/14の深夜に固まった方向性でラフが上がってきたのが15日の夜。仕事が早すぎるぞ。

 

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↑「ヘッドホンの方がいいかもよ」という提案までしてくれた

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そして18日の夜、完成データをいただきました。

 

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 「今ならまだ微調整できるよ」とサービスなお申し出もいただきましたが、すでに申し分ないクオリティだったのでこちらで納品としていただきました。

 

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▼完成したイラストがこちら

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↑全てオーダー通りかつ私が好きだった色味もしっかり出てる。あなたが神か……

※無断転載・配布は禁止です

 

本データを受け取って、契約自体は完了!

最後に相手の評価を記入して、終わりです。

 

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注意点と価格帯

【注意点】

①年齢制限系イラストに注意してください

2015年8月にオープンしたこちらのサイト。

現状は年齢制限がかかるようなイラストやグロ系のものとの住み分けがなされていないので、閲覧時は注意してください。

 

②顔の見えない相手とのやり取りだということを意識してください

「お金の管理をサイトが仲介してくれる」以外は完全に個人同士のやりとりなので、発注側にしろ受注側にしろ、互いに気持ちの良い会話をしようという心がけが重要です。

まったく知らない人とお金の絡むやり取りをする、という点においては多少気を張る必要はあるかと思います。

 

③決して「アイコンは○○円で書けるものなんだ」と思わないでください

提示の値段で書いてもらえるのは、あくまでイラストレーターが自由に価格設定できるシステムだから。何らかの理由・狙いがあってその値段になっています。

「他の人は安いのに!」「この前は2,000円で書いてくれたのに!」「趣味でやってるのにお金取るの?」と考えるタイプの人は、おそらくSKIMAとはちょっと相性が悪いと思います。

むしろ「すてきな絵を書いてくれる人には対価を払いたいよ!」と思う人にこそ、ピッタリなサービスです!

 

【サイズごとのざっくり価格帯】

アイコン:1,000円〜4,000円

一枚絵(背景なし):2,000円〜5,000円

一枚絵(背景あり):3,000円〜15,000円

※個人が自由に価格設定できるため、実際はもっとバラつきがあります。

 

個人的にはかかっている工数やクオリティを見ると「安すぎるのでは……!?」と不安になりますね。。

 チップ制度もあるので、特に応援したいイラストレーターさんには追加のお金を支払うことができます。

 

【ちなみに、こんな使い方も】

skima.jp

skima.jp

 

最後に

「この人の絵好きだな」と感じた人に、自分のための絵を書いてもらえる。これ、正直想像している以上に嬉しいです……!

 

記事化を快諾してくださったYuccA様、本当にありがとうございました!

※ちなみに納品完了後にお願いしたので、ご紹介したメッセージのやり取りは全て、記事化を想定したものではありません。

 

フォロワー7,000人おめでとうございます!!!/

 

 

 

 

今日のおすすめ

VOCALOIDなので、機械声苦手な方はご注意。

www.youtube.com

誰もがクリエイターになれる、インターネットの世界

我が家に1台目のパソコンが来たのは、私が小学校3年生の頃でした。

はじめはWindowsに標準搭載されているゲームをして遊んでいたのですが、

「チャット」を覚えたことがネットコミュニケーションとの出会いでした。

 

クラスカーストの最底辺をさまよっていた私にとって、

匿名で会話できるチャットは本当に救いでした。

世の中には様々な考えを持った人間がいることも学びました。

 

そして、私が中学生の時にニコニコ動画がリリースされます。

このニコニコ動画の登場によって、私の人生は135度くらい変わることになります。

中学でも変わらずカーストを最底辺から支えていた私は

唯一の特技だったピアノを武器に、弾いてみた動画でちょっとだけ再生数を稼いではニヤニヤする暗い中学生活を過ごしていました。

 

リアルの世界で顔や会話力の壁によってしばしば区別されていた私にとって

そのどちらも関係ない、全くフラットなインターネットの世界は本当に居心地が良かったのです。

 

見た目も学歴も住んでいる所も関係ない、インターネットの世界。

その概念が好きな私は、リアルの世界もインターネットに近付いて、少しずつ少しずつフラットになってきていることを嬉しく思います。

ニコニコ動画だけでなくブログ、pixiv、YoutubeInstagramなど発信(&視聴)系のプラットフォームは全てそうですが

作品を投稿し続けていれば、それがポートフォリオとして成立します。

ネット環境を持つ全てのクリエイターに対して平等にチャンスが与えられ、

売れるために必須だった「運」要素はかなり小さくなりました。

 

私が尊敬しているネットアーティストが、先日自らのツイキャスでこんなことを話していました。

「僕たち動画投稿者は、事務所に属する必要はない。イベントをやりたければその都度人を雇えば良い。人手が足りなければアシスタントを雇えば良い。自分という会社を運営しているのだ」。

 

企業に依存せず、好きなことをして、それをマネタイズして生きていく。

Youtuberを目指す小学生が急増していることを嘆く声が一時期上がりましたが、

文化に進化こそあれど、退化は有り得ないはず。

Youtuberを見ながら育った子ども達が大人になった時、どんな世の中になっているのか、私はむしろ楽しみです。

「ひーこ」をつくっていく 〜退職エントリのような何か〜

昨年12月、新卒で入社した会社を退職しました。

 

辞めた理由はここではあえて割愛します。

そして、次の会社についてもまだ明言できることはないのです・・・

続報をお待ちください。

 

もっと先のビジョンについて、昨年から悶々と考えていたことがあるので

今回はそこをだだだーーと書いていきます。

 

私はやっぱり、「フリーランスになりたい」という思いがあります。

次、どこか会社に属したとしても、【自由度】はかなり大きな基準になってきそう。

 

前職は黙っていても営業さんが仕事を取ってきてくれた。

フリーランスは、仕事を確保する営業力、自分で自分の身を守る危機管理力、「また頼みたい」と思ってもらえるクオリティ、悪い噂ではなく良い噂を流してもらえる人間力…いろんなスキルがないと生き残れません。

それらを、次の仕事で身につけたいと思っています。

 

昨年の秋頃かな。退職に関連して、自分が何をしたいのか、毎日毎日考えていた頃があって。

 

丁度その頃学生時代の友達と飲みに行って、「何かを調べる時、もうほとんどの人が検索エンジンではなくSNSで検索してるよね」って話になったんです。

特に女子が買い物をする時はインスタで口コミを調べたりとか。

(りょかちさんが詳しい記事を書いています)

www.advertimes.com

 

今や「どの媒体が言ってるか」「どの企業が言ってるか」よりも

「誰が言ってるか」が重要になってきた。

 

検索文化の広がりによって、むしろ私たちの世界は狭まったと私は思っています。

たとえば情報収集先がテレビだった頃は、不可抗力的にいろんな情報が視界に入ってきた。

たとえばですが、ニュース見てたら全然興味ないのに相撲事件の報道が始まったり(申し訳程度の時事ネタ)。

 

今は、自分が興味を持ったキーワードのみをネットで検索する。

だから、偶発的に新しい情報に出会うことが少ない。

 

どちらが良いって話ではありません。

 

でも、自分が信頼しているインフルエンサーの情報だったら、もともと興味がない題材でも見るかもしれない。

そういう意味では、インフルエンサーって、フォロワーの人生を広げることだってできるかもですね。

 

 

話は戻りますが、私は「ひーこ」という仕事をしていきたいと思ったんです。

どうにかして「ひーこ」を多くの人に知ってもらって、

「ひーこ」に書いてほしい、「ひーこ」の記事だから読みたい、

そう思ってもらいたい。

別に私本人はどう思われても良くて、

職業としての「ひーこ」を作っていきたいなと。

 

「じゃあひーこってどんな職業なの?」って考えたら

これが浮かばなくて。笑

 

だって、ひーこが何であるかを決めるのは「何をやりたいか」ではなく「何をやったか」。

それまでのアウトプットが、「ひーこ」を形づくっていくはず。

 

そこで、私は1つ、自分と約束をしました。

それは、「○○がしたい」「○○をやってみよう」といった未来系の発信をしないこと。

その代わり、やってから発信する。

要は、やってから言え、ということです。

その発信にスピード性を持たせたいなら、とにかく速攻で手を動かすしかないということですね!

その積み重ねが、1年2年と経った時に「ひーこはこういう人間なんだね」という認識を作ると思うんです。

 

知人からいただいた表現ですが、私が目指したいのは良い意味で「目が離せない人」。

目を離しててもいいや、というのは、興味を失っているとも言える。

まずは身近な人から、常に興味を持ってもらえる仕事をしたいと思います。

 

明日1/2、独立後最初の仕事が掲載される予定です。

ここから一歩ずつ進めてく。

2018年は泥臭く生きる年になりそうです。

編集大学生 vol.2  開催レポ

 

「編集大学生 vol.2 開催のお知らせ」で告知しました通り、2/17に編集大学生vol.2を開催しました。

第2回となる今回は、ノオトで編集・ライターとして活躍されている朽木誠一郎さんが登壇。ライターの現実について語っていただきました。参加者は35名ほど。

 

今回私は運営側として、企画や広報をしていました。参加した方も参加できなかった方も楽しめるレポートにできればと思います。

 

前提

今回のイベントの主旨は「なぜ書くのか」を考えるきっかけを作ることです。朽木さんも講演中念を押されていましたが、ライターの仕事の仕方に正解はありません。自分はどんなライターになりたいのか、そもそも書くことを仕事にするのかどうか、考える時の参考として講演内容を読んでいただきたいと思います。

 

19:00 イベントスタート

司会は前回と同じく磯部さん。アセナビで編集長をしています。

編集大学生を開催した背景として、「メディアに関わっている学生や興味のある学生がゆるく繋がる場を作りたかった」という話をしました。

 

ここで朽木さんにバトンタッチ。

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朽木誠一郎氏

編集者、ライター。大学時代にフリーライターとしてキャリアをスタートし、卒業後はメディア事業をおこなう企業に新卒入社。オウンドメディアの編集長として企画・編集・執筆を担当したのち退社。現在は編集プロダクション・ノオトに勤務するかたわら、Yahoo!ニュース個人/サイボウズ式ブロガーズ・コラムなどで執筆、PAKUTASOのフリー素材モデルとしても活動している。

 

ここからは私達が用意したテーマに沿ってお話をしていただきます。本当に本当に全部載せたいぐらい濃い内容なんですが、今回はごく一部を抜粋させていただきます。

 

講演内容目次

・朽木さんがライターになった頃のwebライター事情

・嬉しかったことと大変だったこと

・まずは組織に入って修業した方が良い

・最後に(ほぼ全文)

 

朽木さんがライターになった頃のwebライター事情

(元のテーマ「ライターになった理由、きっかけは?」より)

 

朽木さん「今のみなさんはメディアで書いたり編集プロダクションでインターンしたりできると思いますが、当時(2011年〜2012年)はそんな状況じゃなかったんです。今みたいにメディアが乱立していなくて、今も残っている所だとガジェット通信やロケットニュースが『若干名ライター募集します』みたいな時代。

今ってブログの記事なんかを持って行けば評価してもらえるじゃないですか。それってすごく良い時代で。当時は『制作実績を見せてください』『商業実績のある方のみ募集』とか言われて。無理じゃないですか、商業実績ないから商業実績作りに行ってるのに(笑)。だからとにかく商業実績を作るために、一本500円みたいな所から始めました。今web記事の原稿料が安いとかいろいろな議論がされていますが、安いのは昔からの話なんですよね。

 

ただ僕は、ライターってすごい仕事だと思っています。ほとんど人件費しかかからないし、頭の中で考えてることを文字にしたものが価値を持つってすごいことだと思うんです。そういう形のないものに対してお金を支払ってもらえるのってすごいなと思ったのがこの仕事を始めた理由であり、やっている理由です」

 

嬉しかったことと大変だったこと

(元のテーマ「印象に残っている企画や、大変だったこと・やりがいを感じたことは?」より)

 

朽木さん「もちろん記事書いて初めてまとまったお金をいただいた時は嬉しかったですし、直近だと紙の仕事が始まったこと。プレジデントに書けるようになるのは自分にとって大チャンスなので、印象に残っているというか『ライターやってて良かった』と思いました。

 

一方で、努力の話を得意げに語るのはダサいと思いつつも大変だったのは、前職でメディアを運営していて。3カ月くらいは会社に泊まってソファで寝て、6時に来る家事代行サービスの人が掃除機をかける音で起きる。そういう生活をずっとしていました。だって27歳で始めてるから後戻りなんてできないし、結果残さなかったら『何がやりたかったの?』って話になるじゃないですか。僕は本来負けん気も強いタイプなんです。嫌いなものも嫌いな人もいますし、そういうもの全部に『いつか見てろよ』って思って仕事してきました。別に何も成し遂げてないんですけど、こんな風にみなさんの前に立てるようになったのが何よりありがたいと思いますし、これからもそういう努力を続けていかないとな、と思っています」

 

まずは組織に入って修業した方が良い

(元のテーマ「これからライターとしてやっていく人へのアドバイス」より)

 

朽木さん「あんまり独学でライティングとか編集が学べるとは思っていなくて。自分が『正しい』と思っていてもまわりとはズレてる可能性もあるので、誰にも教わらずに独学でやるのはすごく怖いことだと思います。なのでライター向けの講座もそうなんだけど、たとえば最初は編プロやメディアを運営している会社に入って修業するのが良いと思います。どこが良いかは僕は言えないですけど、ある程度名が通ってるとか、あるいは自分がすごく好きなメディアとか。なので講座を受けるか、あるいは知見がずーっと脈々と溜まっている組織に所属するのは1つの手だと思います。

 

ただし正解はないので、どれが正しいかとかはないです。ただ個人的にはそれが1番、無駄が少ない。キャリアのいったりきたりが少ないんじゃないかなと思う。もちろんフリーでバリバリ活躍してる人もいるから、自分に合うやり方は人それぞれです」

 

さいごに

朽木さん「今回登壇したのには理由があります。社会人として先に走ってるのは事実なんですが、別に差なんてあるようでないんですよ。

この仕事って面白くて、ばーって有名になる人もいっぱいいるじゃないですか。この仕事は短距離走であり長距離走なんです。短距離でも負けたくないし長距離でも負けたくない。

僕はプレイヤーがいっぱいいた方が良いし、ちゃんと競争して良いプレイヤーが残ってくれた方が良いと思っているんです、1プレイヤーとして。高い所から見てる監督ではなく、実際ぐるぐるぐるぐる競技場走ってる人間として、もっとみんなこのレースに参加してほしい。しんどいし簡単なことじゃないけど、それだけの価値がある仕事だと思っています。読んでる人はおもしろかったり役に立ったり、マイナスなことはないはずじゃないですか、本来は。そういう価値を、しかも低コストで届けられる。

今日、若い人や大学生と関われる機会は非常に貴重だなと思って偉そうに喋らせていただきました。みなさんどんどん書いたり編集したりしてどんどんコンテンツ作って、一緒に世の中に価値ある情報をもっともっと届けていきたいと思っていますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします」

 


 

他にも、運営側が用意した以下の項目についてご講演いただきました。

・「これからのライター界にこういう若い人が出てきてほしい」など、業界について思うことは?

・ライターと編集の違いとは?

・メディアにとっての成功とは?(質疑応答での質問『PVの概念についていろいろ議論がありますが、PVという指標について何か思う所はありますか?』より) 

など

 

そして質疑応答の後に交流会を1時間ほど。さらに21時にイベントを終了し、場所を変えて懇親会を行いました。

「一緒に何かを始めよう」という話をしている学生や、より突っ込んだ内容の質問を朽木さんにぶつけている学生も見られました。

 


 

今回のご講演では、ライターの現実を学ぶと同時に朽木さんの業界や仕事に対する情熱が伝わってきました。現実と情熱を一緒に伝えるってとても難しいことだと思います。でも朽木さんのお話を聞いていると「確かに大変そうだけど、でも頑張ってみたい」という気持ちになるんです。きっと、会場にいた多くの学生がそうだったはずです。

 

運営側として偉そうなことを言うと、今回のイベントで1番実現したかったことがこれなんです。「現実的な部分は伝えなきゃいけないけど、でもつらい印象ばかり伝わってライターを目指す気持ちが萎えてしまったらどうしよう」という懸念は準備中ずっとありました。ただその何倍も何十倍も、朽木さんの業界や仕事に対する愛の方が強くて。仮にライターという職業関係なしにしても、1人のプロが仕事にかける思いが伝わってくる、とても濃い1時間でした。

 

 

なお、編集大学生では第3回のイベントを主催してくださる学生を探しています。

本当に探しています(必死)。

メディアと大学生をキーワードに「こんなイベントやりたい!」というものがある方、ご連絡お待ちしております。

(歓迎:過去に行われた編集大学生のイベントのどちらかに参加したことがある方)

 

 

 

編集大学生 vol.2 開催のお知らせ

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昨年11月に、「編集大学生 vol.1」というイベントに参加しました。

(その時の記事はこちら→『「編集大学生」参加レポ』

 

とっても楽しくて、「行ってよかった」と心から思えたイベント。なんと今回、その主催側をさせていただくことになりました。

というわけで、ライター仲間の磯部さん、木村さんと一緒に『編集大学生 vol.2』を開催します。

 

編集大学生とは

編集大学生はメディアに関心のある大学生が「3カ月おきに集まる」イベント、及びfacebookグループの名前です。

イベントの運営メンバーは固定されていません。今回は第1回に引き続き磯部さんと木村さん、そして縁あって私が加わり、3名で準備をしています。

 

ライターやブロガー、あるいは編集も、基本的に孤独な仕事です。

学生が関わるwebメディアはたくさんありますが、それぞれが乱立している状態で、横の繋がりはあまりありません。

そんな学生が集まって話をしたり、勉強したりできる場があったらいいよね、ということで立ち上がったのがこの編集大学生です。

 

正直、編集大学生を指すのに「これだ!」というキーワードはまだ見つかっていません。サークルと呼ぶには大規模すぎるし、学生団体と呼ぶにはゆるいし・・・。

ある日の打ち合わせで、木村さんがオンラインゲームでの仲間・組織を指す「ギルド」という言葉を使っていました。今の所、これが1番近いかなと思います。

興味を持ってくださった方はfacebookグループに招待いたしますので、ご連絡いただければです。

 

 

そして編集大学生vol.2では、なんと我々学生ライターの大先輩、朽木誠一郎さんに登壇していただきます。

テーマは「Webライターの現実」。

 

 

あなたは、なぜ書くのか?

ライターという職業は、なろうと思えば誰でもなれます。資格などが必要なく、パソコンさえあれば始められる仕事だから。

正直、質を求めなければかなり間口の広い職業だと思います。

 

私自身、文章を書く仕事がしたいというだけで飛び込んでみたは良いものの、どんなライターになりたいのか、自分をどう売り出していきたいのか、今もわかっていません。

ただ1つ確信しているのは、「ライターが細分化されつつある」ということ。

もちろん幅広い分野で一定のクオリティを保って書ける人は相応の需要があります。ただそれ以上に、「この分野は○○さんに」と言われるライターは強いと思います。この「〜と言えば○○さん」は、どんな状況でも武器になります。webという先の見えない業界において、数少ない普遍的な武器です。

(余談ですが、少し前に「金融について書けるライターは希少価値が高い」という噂を聞いたことがあります)

 

自分が何を専門にしていきたいのか。どんな理由をもってどの媒体で書くのか。

深く考えたことのある学生ライターは多くないと思います。

実際にライター・編集者として前線で働く朽木さんにリアルな仕事事情を話していただくことで、ライターとしての将来像を描くきっかけにしていただければと思い、今回のイベントを企画しました。

 

 

開催概要

「編集大学生vol.2」

【登壇者】
朽木誠一郎氏
編集者、ライター。大学時代にフリーライターとしてキャリアをスタートし、卒業後はメディア事業をおこなう企業に新卒入社。オウンドメディアの編集長として企画・編集・執筆を担当したのち退社。現在は編集プロダクション・ノオトに勤務するかたわら、Yahoo!ニュース個人/サイボウズ式ブロガーズ・コラムなどで執筆、PAKUTASOのフリー素材モデルとしても活動している。

【日程】
2/17(水) 19:00~21:00 (希望者による懇親会有り)

【場所】
EDITORY 神保町(東京都千代田区神田神保町2-12-3 安富ビル 2F)
神保町駅A4 出口から徒歩1分
http://www.editory.jp/

【参加費】
1,500円 (アルコールを含むドリンクと軽食付き)

【定員】
30名

【イベント内容】
・ 登壇者による講演
・ 交流会
・ 懇親会(希望者のみ)

参加される方は、こちらのPeatix(チケット販売サイト)からお申し込みください。


編集大学生vol.2 〜3カ月おきにwebメディアについて語る仲間を作る大学生の交流会〜
http://peatix.com/event/143321

 

当イベントは前回参加していない方はもちろん、社会人の方も参加可能です。

「ライター仲間がほしい」「ライターではないが、興味はある」という方もぜひお越し下さい。

 

前回の様子

最後に、前回の模様を少しだけご紹介します。

初回という何もかも手探りな状態で開催された「編集大学生 vol.1」には、学生ライター4名が登壇しました。

 

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アセナビ編集長の磯部俊哉さん(上写真)、Noren Portland編集長の山崎涼真さん(下写真左)、MTRLライターのSaki Obamaさん(下写真中央)、灯台もと暮らしインターンの木村すらいむさん(下写真右)。

 

「(メディア運営者として)ライターのモチベーション管理どうしてる?」「書くことは目的か手段か」などなかなかリアルな話題に沿ってトークセッションが行われました。

 

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対して参加者側には40名が集まり、会場は満員。

後半の交流会では多くの学生が名刺・・・ではなく、Twitterfacebookのアカウントを交換しているのもメディア界隈らしい光景でした。

 

 

最後に

ここまでお読みいただきありがとうございます。

編集大学生は、良くも悪くもできたばかりのつながりです。少しでも興味のある方は、この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

お申込はこちら

編集大学生vol.2 〜3カ月おきにwebメディアについて語る仲間を作る大学生の交流会〜
http://peatix.com/event/143321

 

 

『僕らがツイッターをやる理由』参加レポ

 

先日編集大学生のレポを公開したばかりですが、またまたイベントレポです。

11/6に下北沢B&Bで行われた、『僕らがツイッターをやる理由』というイベントに参加してきました!

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こちら、最近ツイッターで若者を中心に人気急上昇中のカツセマサヒコさん(@katsuse_m)とさえりさん(@N908Saによる対談イベントです。

 

どちらも妄想ツイートが人気ということで、「2人ともフォローしてるよ!」って人も多いはず。そんな2人が、あの下北沢B&Bで(ツイッタラーはみんなB&Bが大好き)、一緒にイベントをやるなんてもう胸が熱くなるしかないです。

 

あと個人的にカツセさんはインターン先の社員さんでもあるので、「人前で喋る勉強になれば」という社会科見学的な意味合いもありました。

 

 

ちなみにイベントの概要はこちらが参考になるかと思います。

 

bookandbeer.com

 

ツイッターイベントならではの仕掛け

会場に着くと、スクリーンにイベント用アカウントが表示されていました。

イベント中ツイッターを使って参加者と遊ぶので、専用アカウント(@bandb1106)をフォローしておくようにとのこと。すごい!早速ツイッタラーっぽい!

 

なおイベント中はアンケート機能を使って参加者に投票を行ったり、質問をリプライで受け付けたりしていました。

カツセさん曰く「ツイッタラーはこういう場で挙手するの嫌いだから」。ば、バレてる・・・

 

 さすがアルファツイッタラー、実装されて日が浅いアンケート機能をイベント進行に活用。

(アルファツイッタラー=要するにすごいツイッタラー)

 

いわばツイッタラーのオフ会

いよいよイベントスタート。カツセさんとさえりさんが登場しました。

初めて生で見たさえりさん、(失礼ながら)めちゃくちゃ可愛い。ツイッターや記事で写真を拝見した限りではシュッとした美人系な方かと思っていたのですが、実際のご本人は声も仕草もふんわりした可愛らしい方で、まずそのギャップにやられました。まわりの参加者も小声で「さえりさんめっちゃ可愛い」と話していました。

 

一方のカツセさん、喋りがうますぎる。普段から「小ネタを挟まずにはいられない人なんだな」とは思っていましたが、この日は特にキレっキレでした。カツセさんの「今日はツイッター好きのみなさんが集まってきているので、いわばツイッタラーのオフ会みたいなものだと思ってます。イベント中はハッシュタグつけてどんどん呟いてください。正直この会場は盛り上がらなくても良いので、タイムラインだけはめっちゃ盛り上げてください」という言葉に、会場は安堵(?)の笑い。

 

でも、思い返せばこの瞬間がこの日の空気感を決定していたんですよね。これ以降、登壇者の2人はツイッターを見ながら話をする、参加者は2人の話を聞きながらツイッターをするというなんとも言えない空間に。家か!

 

 

さてここからは、ツイッターイベントのレポらしくハッシュタグ#ツイ対談」に沿ってまとめていきたいと思います。

 

自己紹介

まずはお2人による自己紹介。好きなものや現在に至るまでの経歴、フォロワー数やいいね数といったツイッターにまつわる情報が公開されました。

 

 

さえりさんのお話でとても共感したのが、「鬱々としている時ほど、創作意欲が溢れてくる」という主旨のお話。不安・不満を承認欲求に、承認欲求を創作意欲に変換することができる粘り強さはクリエイターの長所だと思います。

 

ちなみにここで、このイベントの象徴的なできごとが。

 

 このツイートを見て、早速ツイッターのアンケート機能を活用。

 

 

「暑い」と答えた人の方が多かったということで、カツセさんが空調の調整を指示。なんという回りくどさでしょうか。

その後も参加者のツイートに答える形で話をしたり、まさにネットとリアルが混在しているような空間でした。

 

なんでツイッターやってんの?

ようやく本題!

フォロワー数16,000人以上を誇るカツセさんがツイッターを続けている原動力についてのお話です。

 

(ここで会場、失笑)

カツセさんにとってツイッターはコミュニケーションツールなので「常に相手の存在を意識してやっているよ!」という意味からの発言だそうですが、さえりさんと参加者(つまりカツセさん以外全員)は引き気味でした。笑

あと「サカイエヒタさん(@_ehita_)の活躍を見てツイッターを本格的に頑張ろうと思った」みたいなお話もあったような気がするのですがあまり覚えていません(↑に全て持っていかれました)。

 

ツイッターやってて、いいことあった?

カツセさんはリアルと連動した出来事について、印象的だったエピソードを紹介。終電が止まってしまい帰宅難民になった時、ツイッターで助けを求めたら「車で迎えに行きます」というリプライがあり、なんと本当に車で家まで送ってもらったそう。すごい!でもちょっと怖い!

  

一方のさえりさんの回答は、「何かをやりたい時、助けてくれる人がいる」こと。

さえりさんは以前ヒッチハイクをしようとした時、「ヒッチハイクをしたいのだけど、どうすればいいのかわからない」というツイートをした所「まずは看板を作りましょう」「次は○○に行きましょう」とヒッチハイクのやり方をレクチャーするリプライが来たとのこと(すごいけどなんか笑ってしまった)。

結果的にヒッチハイクは失敗に終わったものの、このできごとでツイッターの力を実感したそうです。今でも何か困ったことがあると、ツイッターで助けを求めているとか。

 

個人的に「すごいな!」と思ったのは、2人とも共通して「ほしい物を呟いたらフォロワーから送られてきた」という経験をしていたこと。何それずるい。

 

 

ちなみにその頃の私↓

 

まさかのトレンド入り

イベントも後半戦に入ろうという所で、なんとハッシュタグ#ツイ対談」がトレンド入り!

 

思わず会場拍手。というかみんなイベント中にどんだけツイッターしてるんだ

 

 

 

生で妄想ツイート!

まさかのトレンド入りに興奮冷めやらぬ雰囲気のまま、最後の企画が始まりました。

カツセさんとさえりさんの十八番、「妄想ツイート」をお題に沿ってその場で考えるというものです。

 

参加者によるリクエストで決定したお題は「靴ひも」。参加者も妄想にチャレンジし、会場は静寂に包まれました。

 

10分程でさえりさんが、やや遅れてカツセさんも完成しました。

お2人の考えた妄想ツイートがこちらです!

 

 どちらも素晴らしく胸キュンなツイートなんですが、なんだろう、これをつぶやいたばかりの人達の顔を見るのが正直恥ずかしい・・・。

 

 

さいごに!

私もツイッターをやっている者として「フォロワー増やしたいなあ、いいねとRTほしいなあ」という思いは正直ちょこっとあります。ただおそらく、それを狙ってツイートをするだけでは限度があって。

月並みですが、最後にはやっぱり「どれだけツイッターを楽しんでいるか」が大きいのかなと思います。「楽しんでいる人しか出せない面白さ」というものは確実に存在して、それは計算では絶対に作れません。

 

ツイッターは徐々に下火になっていると言われていますが、まだまだ力を持っていると私は信じています。140文字という字数制限とか、ハッシュタグ大喜利ごっこができる所とか、本当に日本人と親和性の高いSNSですよね。個人的にはふぁぼが「いいね」になったことや、巷でささやかれている字数制限の廃止計画あたりはちょっと寂しいですが・・・。

またいつか、コアなツイッタラーで集まってみんなでツイッターしたい!

 

カツセさん、さえりさん、楽しいイベントを本当にありがとうございました!

 

 

「編集大学生」参加レポ

11月3日、神保町のコワーキングスペースEDITORYで開催された『編集大学生』というイベントに参加してきました。

今回はそのレポートです!

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このイベントは「メディアに関わる学生が3カ月に1回くらい集まれたら良いね」という想いから企画され、今回が第1回目。

当日はアセナビ編集長の磯部俊哉さんが司会を務め、灯台もと暮らしインターンの木村すらいむさん、Noren Portland編集長の山崎涼真さん、MTRLライターのさきさんが登壇されました。

 

Twitterすごい

まず、私がこのイベントを知るきっかけになったのはこちらのツイートです。 

 

 

私は前回の記事にも書いた通り、「学生ライター増えればいいのになあ、そんでたまにみんなで集まってライター話をしたいなあ」という想いをずっと持っていました。

ほとんど勢いで上記のツイートをしたところ、これを偶然目にされた磯部さんから連絡をいただいたというわけです。Twitterすごい。つよい。

 

「ゆるく」繋がる

今回のイベントのコンセプトは「メディアに関わる全ての学生がゆるく繋がっていくことを目指して」。最初に拝見した時、「まさにこれだ!」と思いました。

 

事前にお会いした際、磯部さんは「書く事が好きな人って、がっつり集まってみんなで意識高く何かをするということが好きな人ばかりではないと思うんです」と話してくれました。ほんとそれな。

ライターなどの活動をしているとまわりの学生から「意識高い」と思われがちなのですが、そんなことはなくて。むしろ自分のペースを乱されたくない、良く言えば職人気質、悪く言えば自己中心的な人が多いです。でもどこかで、人と繋がりたいとか、ライター話で盛り上がりたいとか思っている。そんな人達には、「ゆるく繋がる」という概念は本当にぴったりだと感じました。

 

登壇者によるパネルディスカッション

では、イベントの内容に入っていきます。

磯部さんを司会とし、登壇者によるパネルディスカッションが行われました。

 

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主に「メディアとの出会い」「大変だったこと」「今後のキャリアは?」「メディアを続けられるやりがい、成功体験は?」の4つの質問に沿って進みました。

全体の流れについてはtogetterが参考になるかと思います(木村さんまとめありがとうございます・・・!)

togetter.com

 

当記事では登壇者の回答や参加者の発言から、気になった部分をご紹介させていただきます。

 

ライターのモチベーション管理どうしてる?

山崎さんが編集長を務めるNoren Portlandでは、記事への原稿料が発生しないそうです。そこで「ライターのモチベーション管理はどうしているか」という話題になりました。

 この問いに対し、山崎さんは「サイトの開発やデザインに力を入れ、常におしゃれなサイトを目指している。また、他の人が書けないことを書いてやろうという意欲作りが大事」と回答。

実際、Noren Portlandはライター側の希望や特性を汲み取った仕組みづくりが上手です。

私は編集の経験がほとんどなく思いっきりライター側の人間なのですが、「お金をいただかなくても責任感を持って一生懸命書きたいと思うメディアの条件」を考えてみると、

①   努力・工夫次第で他のライターと差別化できる

②   サイトがお洒落

③   ここで書くことが別の仕事や将来に繋がる

④   PV等のリーチ数が把握できる

この4つになります。

 

NorenPortlandはライターごとに個人のページを用意していて、簡単なプロフィールに加えSNSアカウントへの導線があります。さらに当日のお話では、記事を読んだ外部の企業から名指しでライティングの仕事が入ることもあるそう。もちろん記事のリーチ数をライターに公開していて、私が「書きたいなあ」と思う条件を全て満たしていましたし、実際ノーギャラにも関わらず2〜3日に1回程度の更新率を保ち続けています。

 

この「ライターのモチベーション管理どうしてる?」問題については、同じく参加者の狭間純平さん(@junpei_hazama)が興味深い記事を書いてくださっていました。

www.junpeihazama.com

 

 メディアに関わる人間には2種類ある

MTRLのさきさんによる「私以外の登壇者は伝えたいことがあって、その手段としてメディアを活用しているんだと思う。私の場合は『これを伝えたい』という題材はなく、書く事自体を極めたかった」というお話も印象的でした。

 

この話を聞いて、メディアに関わる人間には2種類いると思いました。書くことはあくまで手段である人と、書くこと自体が目的になっている人。私と、おそらくさきさんも後者です。

どちらが優れているという話ではありませんが、最終的には専門分野を持った方が良いとは思っています。今はいろんなジャンルで書くことによって相性の良さそうな領域を探しているのですが、探し始めて1年経ったのでもしかしたら一生見つからないかもしれません。就職先が人材系の書く仕事なので、とりあえずは人材系に特化できたらいいなあ。

これは体感の話ですが、登壇者や当日お話した参加者を見た限り前者(書くことは手段派)は編集とは無関係の業界・業種を志望する学生が多く、後者(書くことは目的派)は新聞社や編集職など何かしらの形で書く仕事に携わる予定の人が多くて面白かったです。

 

ライターにとっての正解とは

 

これほんと共感しました。私もwebのローカル新聞でガチガチの文章を書く一方で、若い女性向けのゆるいサイトで「さっそく気になる男子に使ってみよ〜♡」みたいな文章を書いていた時期があり、切り替えに苦労しました。

メディアによって求められるものが違っていて、それぞれに慣れるまで時間がかかります。一方で、常に新鮮な気持ちでいられるのが楽しい所。メディアが持つ空気感ごとに、演じ分けていく感覚と言えばいいのかな。新聞の時は新聞記者としてのひーこが書いていて、女性向けの時は女性の恋愛アドバイザーとしてのひーこが書いていて。まあどっちも真顔でキーボードカタカタ叩いてるだけなんですけど。

とにかく、私もこの部分がライターの仕事でとっても面白い部分だと思っています。

 

次世代を担うライターと、大人達の期待

 

 

今回のイベントは、ノオトの朽木さんや灯台もと暮らしの鳥井さんなど、社会人の先輩方も注目されていたようです。下の世代を待ってくれている、期待してくれている方々がいるというのはとても幸せなことだと思います。

 

いまライターと呼ばれる人は数えきれないほどいますし、学生ライターに絞ってもかなり増えてきています。そんな中、①ルールと納期を守り、②取材相手や読者に配慮し、③正しい情報を、④継続的に書き続けられるライターは意外と少ない。これらを徹底するだけでも、私達は「求められるライター」になっていけると思います。

また学生ライターにありがちなのが(私もそうなんですけど)大人の世界を少し覗き見できたことで、思い上がること。いろんな成功者に取材をすることで、彼らの成功部分にのみ注目し、泥臭い作業や地道な努力を軽視すること。形のない「文章」というものを提供する立場だからこそ、丁寧にできる部分はできるだけ丁寧に。こだわれる部分にはできるだけこだわって、他でもない自分が自信を持って送り出せる作品を作っていきたいなと思いました。

 

ちなみにイベントの後facebook上で学生ライターのグループが発足し、イベントの参加者を中心に界隈の学生が集まりつつあります。3カ月後には次のイベントが開催されることと思いますし、ここを拠点に学生ライターや学生編集者の世界が盛り上がっていくことを心から楽しみにしています。

 

最後に、素敵なイベントを開催してくださった磯部さん、木村さん、山崎さん、さきさん、本当にありがとうございました!